欧州の電力取引と自由化 

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発 行: 2003年12月
著 者: 野村 宗訓/伊勢 公人/河村 幹夫/円浄 加奈子
サイズ: 新書判
ページ数: 192ページ
ISBN: 978-4-930986-95-8

[電力自由化シリーズ] 
世界的な規制緩和の波が大きなうねりとなって広がる中、わが国でも電力市場の自由化が急速な進展を見せようとしています。その一つの転換点として、2005年には電気を取り引きする電力取引所が開設されることになりました。

電力の売り買いについて、わが国では相対取引が基本となることに変わりはありませんから、当面は、取引所が電力需給に果たす役割は限定的なものになるでしょうが、取引所の開設が今後の電力市場になにがしかの影響を与えていくことも確実視されています。

いまや世界最高水準の質を達成したわが国の電力ですが、本格的な市場取引という観点からすれば後発ということになります。このため、失敗も含めて、欧米先進地のシステム・実態に学ぶべき点は極めて多いのではないでしょうか。

本書では、「市場万能主義」の米国流とは一味違う着実な取り組みを続ける英国、北欧、ドイツの各地域の電力取引の実態と、それが市場にどんな影響をもたらしているかを分析するとともに、自由化の今後の流れを多角的に分析し、わが国の自由化の今後を占うものとして発刊されたものです。

第1部では電力取引所の概説を、第2部では英国と北欧という好対照な地域の電力取引所の実態を関西学院大学の野村宗訓教授に執筆していただきました。変化の激しい英国と、政治的な背景を強みに新たなステージへと登ろうとする北欧の対比分析は、わが国の今後のあり方を示唆してくれるものです。

第3部は、海外電力調査会の伊勢公人研究員に、最新の情報を盛り込んでドイツの実態を分析してもらいました。先進国の中では、フランスに次いで日本の状況に近いと言われているドイツが、大きな変貌の時を迎えようとしていることが強く印象づけられるでしょう。

第4部は、2003年秋に電気新聞が派遣した海外調査団に同行取材した圓浄加奈子記者が現地取材に基づいて電気新聞に連載した「取引所の作用」を加筆訂正した現地レポートを紹介しました。電力取引所と自由化の最前線から、現地の雰囲気までをも伝えた最新のレポートです。

第5部は、電力取引に関連して必要な商品取引の基礎的な知識を、今年電気新聞に連載したシリーズをもとに河村幹夫・多摩大学教授にまとめていただきました。河村教授は商社出身で、東京工業品取引所の市場取引監視委員会の委員長を務め、商品取引に詳しい第一人者です。

また、付録として米国を含めて先進各国の主な電力取引市場(取引所)の概要をまとめてあります。新たなステージに入る電力市場の自由化。その代表的な存在となる電力取引所が自由化にどんな影響を及ぼしていくのか、必ずやその理解の一助となる一冊です。


目次
第1部 
電力取引所とは何か
第2部 
英国・北欧に見る電力取引と自由化
第3部 
ドイツに見る電力取引と自由化
第4部 
取引所の作用・欧州最前線レポート
第5部 
市場取引の基礎知識
付録 
世界の電力取引所



著者紹介
野村 宗訓氏(のむら・むねのり) 
関西学院大学経済学部教授。1986年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。98年から現職。

伊勢 公人氏(いせ・きみひと) 
海外電力調査会調査部副主任研究員。1987年獨協大学ドイツ語学科卒、海外電力調査会入社。

河村 幹夫氏(かわむら・みきお) 
多摩大学・大学院教授。経営学博士。1958年一橋大学卒、三菱商事入社。94年取締役退任後に現職。

円浄 加奈子(えんじょう・かなこ) 
電気新聞記者。1992年日本電気協会新聞部(電気新聞)入社。エネルギー行政、電力・エネルギー分野などを担当。
(2003年12月現在)

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