変貌するアジアの電力市場 アセアン諸国の電力構造改革の行方

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発 行: 2004年6月
著 者: 石黒 正康/野村宗訓
ISBN: 978-4-902553-01-7

通貨危機から7年。どん底にあえいでいたアジア経済は完全に高成長軌道に戻りました。その中では、中国の急成長ばかりが目に付きますが、実はタイやベトナム、フィリビンといった国々では着実に電力の自由化が進み、海外資本を積極的に呼び込もうとする動きが急です。

これらの国々では、すでにわが国の資本が入ったIPP(独立電気事業者)の発電所が動き出すなど、むしろカントリーリスクの高い中国よりもはるかに魅力ある市場になりつつあります。

歴史的にも日本経済との密着度が高く、関係も極めて友好的なものです。投資リスクの高い中国や、自国でインフラを整える力のある韓国や台湾などと違って、ASEAN諸国は共栄の道を開く相手として実は最適な国々と言えるのではないでしょうか。

このため、わが国の電力業界でも早くからこれらの国々との関係強化に努め、発電所の運転など実績を上げつつあります。また、経済産業省をはじめとするわが国の行政サイドもこれらの国々への支援に本腰を入れつつあります。

本書の著者は、そうした中で実際に現地に何度も足を運び、また政府とも連携を取りつつ、この地域の電力インフラの整備を側面から応援してきています。現場で得た生の情報をもとに、冷静な目でこれらの国々の自由化の行方を検証しています。

今年からは、経済産業省などで、こうしたASEAN諸国の電力インフラへの協力のあり方をさぐる検討も進められる動きとなっており、本書に収められた諸国は、ますます注目を集めそうです。
中国ばかりがアジア市場ではない、ということを実感できる1冊としても多くの方におすすめします。

目次
第1章 アジアの開発途上国の電力構造改革 
1990年代を通して急速に成長し続けたアジアの電力市場/必然的に起きた構造改革の流れ-など
第2章 フィリピン 
電力構造改革の流れ/電力産業改革法が求める電力部門構造-など
第3章 タイ 
国有企業の民営化計画と電力構造改革の流れ/電力部門が直面する課題-など
第4章 ベトナム 
電力産業の実態と将来性/電力構造改革の背景-など
第5章 アジアの電力構造改革のモデルとその行方 
アジアの一言では括れない各国固有の事情/民間投資促進のために必要な基礎条件の整備とは-など


著者紹介
石黒正康氏(いしぐろ・まさやす) 
1975年東京工業大学大学院修士課程修了、オルガノ株式会社を経て、80年野村総合研究所入社。一貫してエネルギー分野の調査研究に従事、93年から94年にかけて世界銀行国際経済局勤務を経て95年復職。現在上級コンサルタント
主な著書として『EnErgy DEmAnD in FivE AsiAn DEvEloping CountriEs』、『ElECtriCity DEmAnD in SEvEn EAst AnD SouthEAst AsiAn EConomiEs』(以上、世界銀行)、『EnErgy MArkEt REstruCturing AnD thE EnvironmEnt』(共著、ThE UnivErsity PrEss of AmEriCA)、『PFI―日本導入で、何が、どう変わる』、『電力自由化―「公益事業」から「電力産業」へ』、『市場争奪-電力小売り自由化』(以上、日刊工業新聞社)などがある。

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